プールウォーキングを心拍数から選ぶまで

有酸素運動の中からプールウォーキングをなぜダイエットに選ぶのか。心拍数を目安にして悩み抜いた経過をお話ししましょう。考えて実践してこの結論に達しました。

これから、運動療法でダイエットを考えている方には必見です。


有酸素運動は一定の心拍数で呼吸を続ける運動

ジョギング、ウォーキング、サイクリング、水泳などは有酸素運動と呼ばれていることは既に多くの方によく知られていることでしょう。

有酸素運動は一定の心拍数で呼吸を続けるものです。この心拍数に関しては理想的には次のような方法で考えればよいでしょう。

まず、普段の運動していないときの1分間の心拍数を確認しましょう。これを安静時心拍数と一般には呼んでいるようです。私の場合は、100前後です。もっと低い人が多いかもしれません。

これに対して、最大心拍数というものがあります。これは自分の限界とも言えるギリギリの心拍数です。年齢の影響を受ける性質のもので、次に式で計算されます。

最大心拍数=220-年齢

つまり、私の場合は220-57=163と計算できます。この数字を見ただけでげんなりしてきます。

有酸素運動で目標とする心拍数は、安静時心拍数、最大心拍数、そして運動のキツサを示す係数から算出されます。

目標心拍数=運動強度(係数)×(最大心拍数-安静時心拍数)+安静時心拍数

運動強度は「0.5~0.8」が普通のようです。サイクリングなどは0.6~0.8程度と言われています。これ以上の負荷をかけるのは避けた方が良さそうです。

とりわけ、私のように中年、肥満、喫煙、心臓病、高血圧のうち前者の3つの条件を満たしている人には無理をしないことをお勧めします。

運動強度の目安としては次の表のようになります。具体的なパーセントを感覚的な言葉に置き換えてみたものです。

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運動強度 運動状態
100% 最高にきつい
90% 非常にきつい
80% きつい
70% ややきつい
60% やや楽
50%

私の場合、「やや楽」を選ぶとすれば、目標心拍数=0.6×(163-100)+100=138くらいが適切だと言うことになります。

近年はアップルウォッチなどが利用できますからジョギング、ウォーキング、サイクリングといった陸上種目なら「ドキドキ感」がどれ位が自分に合っているのか調べることもできるでしょう。


汗をかき息切れする運動はイヤ!

ジョギング、ウォーキング、サイクリングなどはスピードを調整することで目標心拍数に近い運動をすることも可能でしょう。

しかし、いくら有酸素運動が有効だと言われても汗をかき息切れする運動は苦痛でしかありません。

でも、プールを使ったウォーキングや水泳は水の中の運動なので「汗」を意識することはほとんどありません。水の抵抗が邪魔をするのでスピードも上げられません。

水泳ができる、もしくはこれからできるようになりたいという人には全身運動である水泳の方がダイエット効果は大きいのかもしれません。

しかし、今さら水泳を覚えるのはちょっと抵抗感があるという人にとって、残された道はプールでウォーキングすること。つまり、水中歩行です。

理想的な心拍数でプールウォーキングするにはどんな歩き方をすれば効果的かも気になるところではないでしょぅか。

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実際に、大股で少し急いで前歩きをするのとゆっくりと横歩きするのとではおそらく差が大きいと思います。

でも、「きつい」運動と「楽」な運動を組み合わせて水中ウォーキングすれば、全体的にはある程度理想的な心拍数に近い数字になるのではないかと思います。

プールでウォーキングする際の最大の持ち味は、この「組み合わせの歩き方」ができる点かもしれません。

ジョギング、地上でのウォーキング、サイクリングどれをとっても同じ歩き方、同じ動かし方になります。せいぜいスピードをコントロールするだけでしょう。

その点、プールウォーキングであれば、前進、後退、横移動、ジャンプなど複雑な歩き方の組み合わせができることで継続して楽しめる一面があることは確かでしょう。

心拍ゾーンの決め方

心拍トレーニングに関しての心拍ゾーンの決め方は、現時点では絶対にこれが正しいという方法は確立されていないというのが現状のようです。

ここでは、その代表的な方法をいくつか紹介しておきますが最終的には自分で正しいと思う方法を選ぶしかないように思います。

A 便宜的に求めた最大心拍数に対して単純に一定の割合で5段階に分類する方法です。

レベル1は50~59%、レベル2は60~69%、レベル3は70~79%、レベル4は80~89%、レベル5は90~100%と50%以上を均一に割り振る方法です。

B Aと同じく便宜的に求めた最大心拍数に対して単純に一定の割合で5段階に分類する方法ですがAよりも5%高く設定する方法です。

この場合は、最後のレベル5は95~100%と狭い幅になります。

C カルボーネン法と名付けられた方法です。これは最大心拍数の他に安静時心拍数も考慮したものです。

安静時心拍数を0%、最大心拍数を100%にして考えます。Aと同様に50%から10%間隔で均等に5つのレベルに割り当てます。

D Cと同様ですが、レベルの割り当てはBと同じく55%から割り当てる方法です。レベル5だけは95~100%と狭くなります。

以上の心拍ゾーン(レベル)を58歳で最大心拍数は(220-58=)162、安静時心拍数は55と仮定してそれぞれの心拍数を割り当ててみると下表のようになります。

レベル1 レベル2 レベル3 レベル4 レベル5
81~96 97~112 113~129 130~145 146~162
89~104 105~121 122~137 138~153 154~162
109~118 119~129 130~140 141~150 151~162
114~124 125~134 135~145 146~156 157~162
82~109 110~121 122~133 134~146 147~173

これを見ると一目瞭然なのですが、Aから順にDになるほど心拍数は高めの設定になっています。例えば、Dのレベル1はAのレベル3にほぼ収まってしまいます。

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どれが正しいのかと言えば、正解は特に無いということしか言えません。自分で試してみて自分の運動のやり方に最適な心拍ゾーンの決め方を選ぶしかないということです。

最大心拍数に関しても、あくまでも目安の数字なので実際には10以上上の数字を叩きだす人もいるわけです。

実際私の場合、173と10も高い数字を出したことさえあります。もう二度と出したいとは思いませんが。

そうなると、心拍ゾーン(心拍レベル)の設定値も自ずと変わってくるわけです。

心拍ゾーンの設定方法はこれが全てではありません。

例えば、POLAR社の説明としては有酸素性作業閾値(私の場合130)をゾーン3の最小値に、無酸素性作業閾値(私の場合156)をゾーン5の最小値にすることを勧めてきます。

最大心拍数の数値を再入力すれば、この分類も違ってきます。

海外も含めて心拍ゾーンの設定方法に関する論文がないかと調べてみましたが、これといったものは今のところ見つかっていません。

フィリップ・マフェトンは邦訳されたものも含めて入手できる書籍がありますが、彼の考え方では(180-年齢)の数字を超えないような運動をしなさいというものです。

こうした、さまざまな設定方法が考案されている理由の一つは結論に至るまでの実験方法の違いが考えられます。

例えば、日頃から運動しているマラソンランナーなどを母体にデータを集めるのと水中ウォーキングのレッスンに参加している人を母体にだーたを集めるのとでは、結果は違ってきて当然とも言えるでしょう。

また、水中ウォーキングのレッスンに参加している人は少なくとも運動しなければいけないと意識している人々なわけですから、必ずしも一般人と同じレベルとは言えないような気がします。

結局は何を信じるべきかというよりも、自分の経験や健康状態をもとにして自分で判断する。結論付ける(例え、それが一時的なものであっても)しかないということになるでしょう。

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