体力テストの種目と目的

プールウォーキングに限らず何らかの運動をするのであれば、その効果を客観的につかんでおくことが大切になります。

定期的に体力テストを実施すれば自分の体力向上の度合いが把握できてトレーニングを進める上でのモチベーションもアップすることでしょう。

ここでは比較的簡単に実行できる体力テストの種目とそれがどんな目的を持つのかを簡単に説明しておきます。

月に1度のペースでも構いませんから試してみると良いでしょう。ここで紹介する方法は厚生労働省の健康づくり対策でも採用されているものです。

2ステップテスト

このテストの目的は下半身の筋力の強さを知ることにあります。最初にこの種目から挑戦してみましょう。

基本的な方法は簡単なもので2歩歩いた時の歩幅を測定する種目です。

室内でまずはスタートラインを引きましょう。例えば畳の縁を利用しても構いませんしタイルの淵をスタートラインに見立てても構いません。

何も見つからなければテープで印をつければ良いでしょう。

スタートラインに両足のつま先を合わせて立ってみましょう。反動をつけないようにして可能な限り大股で2歩前進します。

2歩目のところで両足を揃えて立ちましょう。スタートラインから2歩目のつま先の位置までの距離を測定してみます。

センチメートル単位で四捨五入した数字を記録しておきましょう。これを2回行って大きな数字の方を採用します。

記録した数字をセンチメートル単位の身長の数字で割ります。小数点以下は3桁目を四捨五入で2桁に丸めます。

その結果を次の表の年代別の平均値と比較してみましょう。

年代 男性 女性
20~29歳 1.64~1.73 1.56~1.68
30~39歳 1.61~1.68 1.51~1.58
40~49歳 1.54~1.62 1.49~1.57
50~59歳 1.56~1.61 1.48~1.55
60~69歳 1.53~1.58 1.45~1.52
70歳~ 1.42~1.52 1.36~1.48
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表の数字よりも低い結果であれば、下半身の運動能力が低い可能性が高いと考えられます。

ファンクショナルリーチ

これは、全身の筋力とバランス能力を見極める目的で実施する種目です。

壁の前に横向きに立つことから始まります。両手を床と平行になるように真っ直ぐに伸ばします。この位置をスタート地点としてマーキングしておきます。

両手を床と平行状態にキープしたまま股関節からまげて身体を前傾させていって指先を前方に伸ばしていきます。

これ以上伸ばすとバランスを崩すところまで伸ばしたらその位置をマークします。

次の表の結果と照らし合わせて5段階表していきましょう。(中央労働災害防止協会による)この数字は年齢別性別が特にありませんが一応の目安になるでしょう。

評価 数値
~19㎝
20~29㎝
30~35㎝
36~39㎝
40㎝~

このテストの目的

この2つのテストの目的はあくまでも継続した運動を実施する上で身体的に効果が出ているのかを客観的に判断すると言うことにあります。

メジャー以外には特別な道具もいりませんから誰にでも測定可能でしょう。

月に1度でも構いませんから続けていってデータ採取しておくことをお勧めします。明日は体育の日です。丁度良い機会なのかもしれません。

MAFテスト

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フィリップ・マフェットンというカイロプラクティックを専門とする学者は、主に持久力を評価する観点に立って有酸素運動から見た体力の判断基準としてMAFテストというものを提案しています。

MAFとは、Maximum Aerobic Functionの頭文字から名前が付けられたようです。無理に日本語にするとしたら、最大限の有酸素運動機能のテストということにでもなるのでしょうか。

最初はマフェトンという名前から3文字をとったのかと思っていました。

具体的に何をするかと言えば、心拍トレーニングによる評価です。つまり、心拍計を持っていなければできません。

心拍数を一定の値になるようにキープしながら、一定の距離を走ってかかった時間を測定するということです。

一定の心拍数とは、マフェトンは(180-年齢)を上限にしなさいと言っています。実際のところは、心拍数を1桁目でキープした運動を行うというのは不可能です。

そのため、一定の幅(心拍ゾーン)の範囲で運動するということになります。年齢が50歳の人ならば、上限が130で下限を120くらいにすればよいということです。

先ほど、「走って」と説明しましたが有酸素運動であれば何でも構わないです。

ジョギングだけではなく水泳でも良いでしょうし水中ウォーキングでもノルディックウォーキングでも構いません。

自転車を漕ぐというのもこれに含まれます。また、踏み台昇降でも一向にかまわないはずです。

常に同じ運動を同じ距離(または同じ時間)行うという原則さえ守られていればそれで良いはずです。

但し、水泳の場合は心拍数を確認しながら泳ぐのは事実上不可能ですからこれは除くことになるでしょう。

さらに、「一定の距離」と説明しましたが、これは走る場合には1マイル(約1.6km)を想定しているようですが、これも明確に決まったものではありません。

他にも、「一定の時間」ある運動をして「どれくらいの距離」動けたかでも構いません。

MAFテストは常に同じ運動を同じ距離(または同じ時間)行なって、そのスピードが改善されたかどうかをチェックするテストです。

いつも自分で決めた運動をするということです。そのため、どういうスピードになったら良いという判断基準も特にはありません。

あくまでも、他者との比較ではなく自分との比較、自分の運動能力の変化を時系列で知るというテストです。

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先ほど述べましたようにこのテストには心拍計が必要になります。

例えば、GARMIN製の心拍計にはこのMAFテストが実行しやすいような機能も備わっている機種があるようです。

それほどマフェトン理論は世界的に有名な考え方だとも言えるでしょう。

ちなみに私は、POLAR製を使用していますが特別なMAFテストのメニューはありません。

MAFテストを実施するにあたって、どうしても避けられない問題としてはその時の環境の影響などで心拍数はかなり変動するということです。

具体的には、運動量の他に気温、湿度、運動する時間帯、感情(緊張や怒り)など複数のパラメーターが絡み合って最終的に心拍数というものが心拍計に表示されます。

激しい運動を直前に行っていたらその結果も違ったものに必ずなるはずです。

運動する環境条件などを必ず一定にするのは思いの外大変なことです。季節的な変動も考えると室内での運動の方が一定した結果が得られることでしょう。

これらの条件を常に同じにして、ある程度長期的なスパンで記録を取らなければ、自分の肉体が有酸素運動の面で改善されたかどうかを判断するのは難しいものです。

また、そもそも(180-年齢)の基準が絶対的なものかどうかも疑いがあります。

マフェトン自身もその点を考慮して、この公式よりも5大きい数字とか10小さい数字といったクラス分けを許しています。

もう少し、マフェトン理論に触れておくとすれば、このテストの前と後に必ずウォームアップの運動とクールダウンの運動を加えるように言われています。

例えば、MAFテストに費やす時間が30分だとしたら、その前の15分間に徐々に心拍数を狙い目のゾーンにまで上げておくということが言われています。

終わった後も、徐々に軽い運動にしていきジョギングであれば走っていたのを最後は軽く歩く程度にしたクールダウンの時間を設けるようにと言われています。

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